大菊栽培(その15) もどる トップページにもどる
11月13日 以前購入した菊作り奥義の第2巻が非常に面白かったため、第1巻を注文し、それが届きました。 この本の出筆者たちの多くは菊作りの有名人で、こんなに秘密をばらしていいのかと言わんばかりに書いています。もちろん奥義の核心までは書いてはいないと思いますが、根が弱い品種は接木して育てたり、葉が落ちてかっこ悪い茎に別の葉を接木する技とか、こんなのあり?というような裏技まで書かれていました。 毎日寝る前にこの本を読んでいます。 |
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11月14日 平日は仕事がいそがしく、休日も育児で菊花会会場の管理当番ができないので、せめて夕方のヨシズ張りだけでも手伝おうと思い、午後4時前に子供と一緒に手伝いに行った。その日の当番は、この菊花会で毎年大賞を取っている方でした。私が考えていたイメージとは全く違い、話をしてみると、とても気さくで親切で、菊の知識が豊富な方でした。 私の菊についても、的確なアドバイスとお褒めの言葉をいただきました。よく話してみると、以前は日比谷の会員だったそうですが、歳をとってからは日比谷への出品が大変なので、この会に絞っているそうです。 最近菊作りがマンネリ化していたところに私が入会してきたので、刺激になってまたやる気が出てきたそうです。競技花と福助それも国華金越山を褒めていただきました。 『あなたの花は、一生懸命さが良く伝わるよ。見ている人を感動させるのでは大臣賞だね。』なんて言われると、今まで賞を取ることを狙っていた自分が恥ずかしくなってきました。 これからは、賞を狙う菊作りではなく、人を感動させる菊作りを目標とすることを心に決めました。(目標とする菊の栽培方法は同じなんですけどね・・・) |
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11月15日 菊の忙しかった時期も終わり、情熱も薄れてきたのですが、遅咲きの玉光院が綺麗に咲いてくれました。 花直しの練習用として、この機会を逃したら来年までできなくなるので綿詰めの練習をやりました。 |
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一週間前から水を切っていて鉢は軽いのに、花はしおれてくれません。 切花でなければしおれないのでしょうか。 花弁を数えると19枚、まず短い花弁を抜きました。 |
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中心に細い綿をピンセットで詰めました。 前回の岸の北極光よりも簡単にできました。 |
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次に外側に大きい綿をつめました。 さすがにピンセットではつらいので、石鹸でよく手を洗ってから、花弁になるべく触れないようにして詰めていきました。 |
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形の調整をして、面詰めが終わりました。 直径24pです。綿詰めの時間は1時間タップリ使いました。 この後タップリと潅水しました。 ちなみに5号鉢福助仕立てだったのですが、あまりにも伸びが止まらないのでBナインを途中であきらめたものです。 |
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11月16日 玉光院の綿詰めから1日しか経っていないのですが、早く飾りたかったので綿を取りました。 『玉光院』は『岸の北極光』よりも、花弁が丈夫です。綿詰めによる花弁の切れはありませんでしたが、もともと切れていた所があったので、開花させる時から注意が必要です。名人奥義によると、開花中の花弁が伸びている時から、極端に小さいものや、奇形をぬいて16弁くらいに調整しておくと書いてありました。 |
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近所の人に見てもらいたいのですが、屋外においてしまうと花持ちが悪いので、この花だけは玄関に飾りました。 花が良く見えるように花全体を傾けています。 |
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11月17日 菊花会の表彰式が神社でありました。 ご祝儀をどのようにして払うのか、祝儀袋の題名は何にするのか会社の人たちに相談しました。 神社でやっているのだから『初穂料』とか、ただ『ご祝儀』と書けばいいのだとか、水引は要らないので便箋でいいのだとか、これと言った回答がありませんでした。 とりあえず、蝶結びの祝儀袋に名前だけ書いて5000円を入れて持って行きました。 どこでどのタイミングで渡すのか全く判らなかったので、早めに会場に行きました。 役員が2人いたので、『ご祝儀を持ってきたのですが・・・』と話かけたところ、その人もはっきりと答えにくいのか、聞こえないふりをされてしまいました。 なんか気まずいので、その場を離れて別の役員に話したところ、『表彰式にそんなものは必要ないよ。気をつかわなくていいよ』と言われたので、払わなくていいのかとほっとしました。 安心して集合場所へ戻ると、役員さんたちが5〜6人集まって、ご祝儀の目録を書いていました。 すると役員の一人が、『さっきご祝儀の話をしていたね。いま受け付けるからだしなよ』(おいおい!聞こえていなかったのでは?余計なことを言わないで!) 結局、ご祝儀を払うことになりました。まあ、もともと祝儀袋に入れて用意していたので良かったのですが、そのあと別の役員が、『今日の表彰式の懇親会の会費2000円ですので払って下さい。』 (おいおい、会費制を知っていたら、ご祝儀なんて考えなかったのに) なにはともあれ表彰式が始まりました。 来賓には、国会議員や都議会議員、区議会議員など、すごい人たちが出席していました。 表彰式で、大臣賞を取った人を見ると、なんと私が以前菊の話をした人ではなく、初めて見る人でした。 てっきり、14日に話した人がその人かと思ったのですが、その人は会場にもいませんでした。 私は総合4位なので、4番目に壇上に上がり、盾をもらったのですが、会場から一瞬どよめきが起こりました。どうやら若い私にびっくりしているようです。 また、ダルマでも特別賞をとっているので、私だけ2回壇上に上がったので、またどよめきが起こりました。お客さんは全部で60名ほどで、菊花会から20名の他に、懸崖菊を納入した他県の菊花会、政治家、、観光協会、役人、地元町会長、商店街役員、スポンサーなどです。 菊を作る若い人が珍しいのでしょうか。 さて、妻が期待していた『副賞』ですが、盾とカップと賞状と、まんじゅうと石鹸セットと、演歌歌手のCDとテープでした。 本当にそれだけでした。 なにはともあれ、懇親会が始まりました。食事はかなり豪華です。お酒も飲み放題です。なんと各テーブルに専属コンパニオン付きなのにはびっくりしました。5000円と2000円の元を取るためにタップリと頂きました。 1時間ほどたってから、役員が酔っ払って私のところに来ました。『君の菊は、賞を狙って作ったのではないよね。初心者は偶然にいい物ができるのだよ。菊というものは経験があってこそ毎年いい物が咲くのだよ。来年も同じような菊を狙うと失敗するから欲を出さないように気をつけなよ。』 反論は何もしませんでした。説教を聞いてうなずいて、丁重にお酒のお酌をしてあげました。すると気持ちが治まったのかニコニコして席に戻りました。 役員さんたちは、私が賞を取ったことがやはり面白くないのでしょうね。 来年は大臣賞を狙わないで、なおかつ安定した成績を取るため5〜6位を狙うことにします。 あくまでも目標は『人を感動させる菊作り』、それに大臣賞を取ると、強制的にご祝儀3万円だそうですから・・・。 |
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11月23日 神社の菊花展会場の撤去を朝からやりました。 出かけるときに、子供から『お父さん、また菊に行くの?』って言われました。3才の子供にそんなことを言われるなんて考えてもいなかったのでちょっとショックです。 菊の搬出地域ごとに分類し、花壇の骨組みを解体し、菊をトラックに乗せて、各家に届けました。 若いということで、解体作業をさせられ、会員宅を覚えろと言うことで、配達までやらされてかなり重労働でした。 昼に打ち上げパーティーがあったのですが、弁当は寿司屋のちらし弁当でした。またお土産にクズ餅までついていてかなり豪華でした。でもこれらはみんなご祝儀から出費していることを考えるともったいないような気がしました。 この打ち上げで来年の競技花の話になりましたが、やはり来年は『国華金山』にほぼ決定でした。 家に帰ってから菊鉢の整理をしました。良く咲いた鉢だけお礼肥を与え、その他は処分しました。 2位だった福助の『国華金越山』はまだ綺麗なのでかざっておきました。 花径を測ると18.5cm、開花時には大きくなると思わなくて、輪台は10.5cmを使っていたので、もう少し大きい13.5cmを使っていたら、花径は19cmになっていたでしょうか。 来年は20cmの花径を目指します。そしてこの国華金越山も当然大切に残すことにします。 |
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11月25日 友人にあげた福助用の菊が綺麗に咲いたので、写真をもらった。 友人は菊栽培は初めてで液肥とキング、クイーンを小さな醤油入れでそれぞれ予定日に1000倍で与えるよう紙に書いて渡しただけですが、結構立派に咲いています。 彼も菊にはまってくれるとよいのですが。 ちなみに、この頃何かとご祝儀などの出費の多いことに妻も気の毒に思ったのか、今月だけお小遣いを1万円アップしてくれました。 来月は3万円でがんばります。 |
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11月27日 区民文化センター主催菊花展の表彰式と、菊花会創立50周年祝賀会がありました。 会費が10000円、祝儀が5000円、痛い出費です。 会場について後ろの席に座ると、切花が入賞しているので前に座りなさいと指示がありました。 なんと、でっかいトロフィーが用意されていました。 切花を出して4着だったのに表彰されるとは思ってもいませんでした。 どうやら、総合審査で賞を取った人は、何鉢出品しても別の特別賞を重複して取れないみたいです。 それで、切花の上位者は特別賞をもらっているので私にトロフィーが回ってきたみたいです。 祝賀会になって、料理が運ばれてきました。 かなり豪勢な食事です。そして和服のコンパニオンが5人ついていました。おじいさんたちはコンパニオンがお好きですね。 前回の神社での祝賀会は、観光協会が後援していたので会費2000円であったが、今回は協賛がなく役所が後援なので実費会費が高いのも納得です。 会費の元を取らないともったいないので、たくさん飲んで食べました。 飲んでいると、議員さんが挨拶に回ってきました。握手まで強制させられて、『来年選挙のときはよろしく』ですって。おいおい、そういう祝賀会なのか? 国会議員等の来賓者のテーブルは20分で帰ってしまって誰もいなくなったので、和服コンパニオンに刺身を持ってきてと頼んだら、『先生たちは高級なトロやウニばかり食べていて、残っているのはタコとイカ、すしは玉子と鉄火巻きしかしかないけど持ってきますか?』って言われました。がっくりです。 議員さんも高いご祝儀を払って20分しかいないのだから、いいものだけを選んで食べないと割りに合わないのだろうなと同情しました。 お土産にどら焼きと、50周年記念ボールペンとタオルをもらいました。 1花出品しただけで入選してしまい、表彰式に強制参加させられ会費10000円を取られることを考えると金銭的にとても割に合いませんが、他の会員に聞くと、『この会は一年の納会みたいなものだよ。入賞してもしなくても忘年会だと思ったら?』って言われました。 なるほど考えようによっては確かにそうだ。じゃあどうせ出席するのであれば最高賞をめざすぞ。 |
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11月28日 ダルマ、福助の鉢整理をしました。 都内では用土の処分に困ってしまいます。とりあえず土のう袋に入れて保存します。菊以外に使用すれば結構良い土だと思いますし、少量は消毒して発酵リン酸処理をしようと思います。 |
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右がスピンアウト処理をした根鉢、左が無処理です。 スピンアウト処理は根が回っていません。 無処理も締め固めて植えているので、思ったほど根が回っていませんでした。 来年は、スピンアウト処理鉢の用土をすこし緩く締めて植えてみようと思います。 |
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来年の親株用に、福助の『国華金越山』と『岸の北極光』、『玉光院』を8号鉢に植え替えました。 3本仕立ての『泉郷旅心』『泉郷ひな祭』『泉郷五色』は8号鉢のまま冬を越させます。 無事に冬至芽が発生してくれれば良いのですが。 |
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12月15日 菊栽培が終わると、毎日のようにやっていたHPの更新もしなくなりました。9、10、11月はほぼ毎日でした。最近はアクセス数も少なくなってきました。 本当はDIYをメインにしたHPだったのですが、いつのまにか菊栽培日記が主役になってしまいまいした。 さて、来年の資材の準備として、ウチダケミカルにFAXで注文をしました。 バットグアノ(こうもりの糞)、バイオゲン(培養土強化材)、ゼオライト、 菊養源6-6-5(乾燥肥料)、育成アミノ液肥、P.K.M(ピーケーマグ調整肥) スピンアウト3.5号ポット、スピンアウトエアーゾル 赤玉土の改良に、『土の素』は高いので使わず、バットグアノとバイオゲンで挑戦してみます。 『菊養源』は台風でだめにしてしまったので、もう一度使ってみます。 P.K.Mとゼオライトは、かわらばんを見てなんだかよさそうなので試してみます。 スピンアウトポット、エアゾールは、在庫がなくなり次第やめるという情報を、とっさん0456 さんから聞きましたので、ウチダケミカルに確認して、注文しました。 ウチダケミカルコーポレイションの『かわらばん』とカタログはとても参考になります。 来年は、有機・アミノ系で菊栽培に挑戦です。 |
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12月16日 なんと注文ファックスした次の日に、ウチダケミカルから送られてきました。 これで総額16,009円です。 来年の菊作りが楽しみです。 |
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12月21日 国華園の月刊誌が届いた。菊花全国大会の特集で、たくさん菊の写真が載っていた。 今年は、普及花で賞を取ったものは少ないような気がしました。 泉郷五色は、ぼちぼちと入賞していましたが、泉郷旅心は見当たらなかったです。それよりも、古花である泉郷ひな祭が多く入賞していました。 福助用で普及花の『国華二色』なんてほとんど使われていなかったし、逆に古花の『国華大社』がたくさん使われていました。気になったのは『国華晴舞台』で、長幹なのに8割くらいの福助入選花壇使われていました。おそらくビーナインがよく効くのと、赤色が他にないのかと思われます。 来年は、新しい品種を買わないで手持ちの菊でやることにします。でも国華園の1月特集号を見てから決めます。 なお、アミノ酸入りの大菊液肥が新発売されるそうです。『大菊液肥アミノ』1100円で会員先行販売だそうですが、ウチダケミカルの液肥を買ったばかりなのでいらないです。 |
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12月28日 太花園から菊のカタログが届きました。でも今年は、良い花が無いようだったので、注文はやめにします。新春の国華園のカタログを見てから考えることにします。 今年の反省点 ・菊花展に初挑戦で賞ももらったけど、意外にも満足度は少なかったと思います。日比谷大会などの優秀花を見てしまうと、まだまだ勉強不足で満足することはできませんでしたというのが本音です。 ・仕立てとしては菊の下葉が枯れてしまい、盆姿としての品が落ちてしまった。 ・切花なんて馬鹿にしていたが、これはこれで面白いことに気づいた。 ・一文字の綿つめを初めてやってとても面白かった。 ・菊花展では大賞を取ると、損をする。 ・シェードを初めてやったが面白かった。 ・台風対策を本格的に考えないといけない。 ・管物には多量に肥料をあげなくて良いということがわかった。 以上を踏まえて来年の抱負 ・粒材農薬を極力控えて、下葉の枯れをなるべくなくす。 ・一文字を本格的に仕立てて、見る人を感動させる。 ・所属菊花会で『一文字のYAMATO1205さん』と言われるようがんばりたい。 ・栽培場がせまいので、ダルマ・福助・切花を中心にやる。 ・栽培場に雨よけをつくる。 ・多品種に手を出さず、同じものを栽培条件を変えて作る。 来年は、所属菊花会の大賞の次席を狙うようにがんばります。 |