大菊栽培(その14)                      もどる   トップページにもどる


11月2日
 昼休みに職場を抜け出して菊の確認に行きました。結果は、競技花の部で一等一席(第3位)で、特別賞はありませんでした。
 役員が近づいてきて、審査時の指摘事項を教えてくれました。『地』の枝のみが105cm未満であったこと。『人』より低く逆枝であること。曲げ方が汚いとのこと。
 曲げ方が汚いというのは、強引にかさ上げしたからしょうがないです。逆枝は、どうやら審査中に『地』の枝だけ落ちてしまったようです。これがなければ上位に入っていたそうです。
 本来なら審査対象外で順位もつかないのであるが、葉の綺麗さと花の大きさは1番であったので、特例として入賞としたそうです。
 残念。でも審査員の同情を誘ったという事であれば満足です。それに最前列で大臣賞の隣に並べてくれているし。
 ちなみに新玉光院は、厚物の部で一等二席(第4位)でした。
 花が小さくて入賞はしないと思っていたのですが、なんとかがんばってくれました。
 泉郷旅心は着外でした。
 
 大臣賞を取らなくて3万円をご祝儀で出費する必要がなくなりましたのでよかったですが、やはり悔しいものです。気を取り直して4日審査のダルマ・福助の2連覇を目指すぞ。
 ちなみにこの日にライバル達が、ダルマ福助を搬入していました。国華金山のダルマで良いのが出品されている。国華金山の福助も1鉢大きいのがでている。うーん、2連覇は難しいかな。すっかり弱気になってしまいました。

11月4日
 前日は、第三子のお宮参りで菊のことなど何も考えていなかったが、今日の午後にダルマ・福助・切花の審査があるので、午前中に福助と切花を搬入した。
 切花は2花エントリーしていたが、『富士の輝き』1花を出品することにしました。
 この富士の輝きなのですが、序盤は全然葉が大きくならなくて、『本当に大菊なのか?』と疑い、3本仕立ては、あまりにも生育が悪いので破棄し、この1本仕立ても愛着がなかったのですが、花が咲いてみるとすばらしい。手をかけなかった割には立派な花が咲いてくれたので、切花で出品します。
 バイクで、自宅と菊花会場を3往復して、福助と切花を搬入しました。
 
 
 会場でダルマの泉郷五色を仕立て直しました。
 『地』と『人』の花が触れないように、支柱を斜めにさして、幅広く見せています。
 去年より花が大きく、なおかつ優雅に咲いているような気がします。これがダルマの本命です。期待していますよ。
 ダルマの泉郷旅心です。これも幅を広くしています。他のダルマ鉢の1.5倍の横幅を使っていますので、迫力が違います。
 花弁がまだ開ききっていませんが、去年よりも優雅に咲いている感じがします。去年より腕前が上がったような気がします。(育て方はあまり変わらないのだが)
 ダルマの岸の北極光です。審査1時間前に綿を取り除きました。花弁数が14弁、船底型になっており中心に青みが残っていて、自分でも最高の出来です。やっぱりこっちが大本命です。
 やはり、一文字最高!花直し中に何度もお客さんに声をかけられるし、注目度NO.1です。
 どこの菊花展でも一文字が必ず出品されているので、当菊花会場にも絶対に必要だと思っていました。他の菊とは違う気品見たいものがありますものね。菊花展の品格が1ランク上がるような感じがするのは私だけでしょうか?
 切花の『富士の輝き』です。8部咲きであと2日欲しかったです。裾弁がしっかりとしていて、綺麗です。こんな花が3本仕立てで出来れば良いのだが。
 福助です。左と中が私の国華金越山、右がライバルの国華金山で、左と中のどっちを出品するかで悩みました。
 左は大きく、中は背が低いが花弁がまとまっています。悩みましたが花弁の綺麗な真ん中に決めました。
 ちなみに金越山と金山では、これだけ色が違います。
 福助の出品はこの四つ。
 右から、国華金越山、兼六香菊、国華大社、泉郷富水です。
 
 役員から、『午後の審査にあなたも立会いなさい』と言われてしまった。どうやらこの日の審査は外部からの派遣審査ではなく、会員同士で意見を出し合い、優劣を決めるそうです。
 自分の菊の批評を目の前でされるのは辛いし、他人の菊の批評もしたくないし、子供を水泳教室に連れて行く予定が入っていましたので、丁重にお断りして会場を後にしました。
 ちなみに3本仕立ての新玉光院は、お客さんの質問があまりにも多いため、最前列に飾られていました。鉢が砂利で傾けられていて、花弁が良く見えるように工夫して飾ってありました。
 小さい花弁だと思っていましたが、微妙に成長して大きくなっていました。
 当番の会員も、1日に何十回も一文字の質問をきかれるそうです。
 お客さんは、『こんな菊は見たことがない!』と口々に言うが、天皇の御紋章の形を想像してもらうとなるほどと納得するそうです。  
 やっぱり出品してよかった。ただの入選なのに隣の審査委員賞の菊より目立っていて、存在感たっぷりです。来年も出品するぞ。

 子供のプール教室の帰り、審査が終わっているだろうということで、神社に結果を見に行った。
 
 ダルマの『岸の北極光』は一等二席(4位)でした。残念です。ちなみに泉郷五色は一等一席(3位)で、泉郷旅心は一等三席(5位)でした。
 残念。
 ちなみに首席は国華越山、次席は国華金山でした。岸の北極光は花弁が14弁しかないことが指摘されました。御紋章のように16弁ないとダメだそうです。でもこの小さい花径では16弁は辛いです。来年は16弁を目指します。
 ダルマは厚物が絶対的に優位だそうです。来年は金越山でも勝負するぞ。
 続いて福助です。
 残念なことに、国華金越山は2位、首席を取られてしまいました。
 草丈が低すぎたことが指摘されました。残念。
 ちなみに国華大社が3位、兼六香菊が4位、泉郷富水が5位です。
 
 ダルマ・福助部門の連覇はなりませんでした。
 でも切花の『富士の輝き』が、首席を取ることが出来ました。しかも観光協会会長賞の副賞つきです。
 切花はあまり期待していなかったので、ビックリです。
 何はともあれ、今年の菊の審査は修了です。お疲れ様でした。

11月6日
 文化センター会場の撤去作業を行いました。
 実は審査後に会場に行っていないし、審査結果も知りませんでした。行ってみると入賞はしていませんでしたが、良い状態でした。特に泉郷五色なんて、今が満開でした。残念。
 
 花径が一番大きくて今が満開の泉郷五色なのですが、審査日には七部咲きであったため入選は出来ませんでした。
 
 

11月7日
 昨日、役員たちが来年の競技花について何か良い品種はないのかと、会員たちに聞いていました。白色の厚物または厚走りだそうです。
 私にも意見を聞いてきたので、『富士の新雪はどうでしょうか?』と問いかけたところ、他の会員からも同様の意見があったし、会員で苗を保有している人も多いので、『富士の新雪』にほぼ決まりました。
 私は持っていないけれど、菊花会のピンチまでしてもらっている配布苗をもらうよりは、自分で良い苗を吟味して勝負したいので、日比谷公園で秋苗を入手しようと思います。(国華園では富士の新雪はもう売っていない)
 ちなみに本日、国華園から『国華吉兆』と『玉光院』の秋苗を注文しました。日比谷公園に行けばおそらく入手できると思いますが、以前、菊の即売会で国華吉兆だと思って買ったのに違う品種だったので、信頼のある通販で入手します。
 ちなみに来年は、管物系はやめにして、国華吉兆、国華金越山、富士の新雪、玉光院を2苗づつ育てる予定です。
 国華吉兆は、超有名でかつ早咲きだし、草丈も伸びるので今の栽培スタイルにピッタリかと思います。また、新玉光院より玉光院のほうが、花径がより大きくなるような気がしましたので、来年は玉光院で挑戦してみます。

11月8日
 この日は、国会議員のありがたい?講演会を聞きに日比谷公会堂にサクラ動員されました。日比谷公会堂と言えば日比谷公園内に建っているので、講演会が終わって直ぐに菊花展にいきました。
 1時間かけてじっくり花を観賞しました。役員の中には国華園の会報誌に出ていた有名な方(女性)もいらっしゃっていて、ちょっと感動しました。
 さて、私の所属する菊花会の来年の競技花である『富士の新雪』が多数出品されていましたので、じっくりと観察しました。
 ほとんどの草丈が1m60cm前後と背が高く、逆三角形に育っていたので追込み型で生育しているみたいです。胴切り箇所を確認したのですが、鉢底から90cm前後で実行している鉢が多かったです。胴切りというよりは柳芽処理のような微妙な位置でした。
 輪台は大きく15cm以上ありました。
 次に福助を観察。国華金山、越山とも葉の大きさ、花の大きさが私の育てたものと比べ物にならないほど大きい。勉強になります。
 ダルマに関しては、以外と普通のような気がしました。
 さて、来年のために『富士の新雪』の秋苗を見つけるために、各会の即売苗をのぞきました。
 そこで日本で一番古いとされる会の方に、いくつか質問をしました。福助は10鉢しかないのはどうしてなのかと聞いたところ、2人の名人が別格なので他の会員はなかなか出品できないらしいとのこと。
 年会費と講習会の有無をきいたところ、会費は4000円とそんなに高くないが、講習会は総会と苗分譲等の数回だそうです。講習会で名人達の指導をうけるというよりも、11月の会場で名人達の会話を聞いたり質問したりして技術を習得していますとのこと。 つまりは名人の技を会場で盗むことだそうです。
 別の菊花会の方にも同じような質問をしてみたのですが、まずは自分の地域で当菊花会に入っている方を通して入会された方が、孤独感がなくて良いのではないかと教えてくれました。その会の方は私の地区に会員がいるか知らべてくれましたが、残念ながら会員はいませんでした。
 もし入会を考えるのなら入会する前に会則や審査基準なども知ってからでも遅くはないので、会報を読んでから決めたらどうですか?という事で、なんとその会の会報誌を頂ました。ありがとうございました。
 講習会がほとんどなくて、名人の技を会場で習得する職人のような勉強法なのですね。今はインターネットで情報が入る時代だし、日比谷菊花展には毎年足を運んで、観察するだけでも十分な勉強になるので、当面は所属する菊花会でがんばろうと思います。
 ちなみに会場内の売店で、サンソが一番、粉末ジベレリン、レボポン(開花促進剤で、巨大輪にするらしく店主お勧めだそうです)をゲットしました。
 その他としては、花首修正具や農薬など、ホームセンターでは手に入らないようなものもたくさん売っていましたので、お勧めです。
 もちろん『富士の新雪』もゲットしました。

11月10日
 この日の朝はバリウム検診で、体調が優れなかったのですが、千葉で全菊連の大会がおこなわれているということで、見学に行きました。
 以前から赤星さんとメールで大会情報を聞いていましたので、千葉ポートアリーナのロビーで携帯で連絡をとって待ち合わせました。赤星さんとは初めて会います。
 しばらくして赤星さんらしき方がやってきました。お互い挨拶をして確認しました。もう一人の方といっしょでした。挨拶すると植える花夢さんでした。
 赤星さんのイメージは、お笑い芸人みたいな明るい方を想像していたのですが、言葉が関西弁のほかは、いたって真面目な方でした。
 植える花夢さんは、菊作り奥義で写真がのっていたので、想像していた通りでしたが、病弱なイメージなんか全くなく健康そのものでした。
 会場に着いたのが午後1時だったので、ちょうど表彰式がおこなわれていました。なんとスプレー菊の部門で植える花夢さんの奥さんが部門1位をとってお立ち台に上がっているとのこと。
 会場内を見渡すと、国華園の会報誌に載っている有名人がたくさんいらっしゃいました。切花の名人、一文字の名人、ダルマの名人などたくさんいましたが、恐れ多くて声なんかかけられませんでした。
 表彰の様子を植える花夢さんの仲間の席に入れてもらい、赤星さんと観覧しました。
 表彰式が終わり会場の一般開放となりましたが、赤星さん、植える花夢さんは団体行動ということで、一度お別れをして一人で会場内をゆっくり閲覧しました。
 ダルマをみていると赤星さんがやってきて、赤星さんの出品作を一緒に探しました。すごい!優等です。ダルマは5鉢ほど作って一番良い鉢を持ってきたということです。
 また一人で切花を見ていると、今度は植える花夢さんが声を掛けてくれました。全菊連のダルマの一文字・美濃菊の部門は、3鉢しか出品されていないので、私の岸の北極光を出せば賞を取れたかもということです。一文字は14弁あればOKということ。あの北極光は、弁質も良いし3花の大きさも合っているので、実物を見ていないが良い感じだそうです。あくまでも実物を見ていないというのが気になりますが、お褒めの言葉を頂きました。
 さて、赤星さんからもアドバイスを頂きました。花弁が斜めになっているものは、まっすぐに花直しをすること。斜めになっている分だけ花径の大きさをを損しているとのこと。ありがとうございました。
 赤星さんは、美濃菊の福助部門で来年勝負するとのこと。美濃菊も面白そうです。私も挑戦しようかな。
 赤星さん、植える花夢さん、ありがとうございました。
 会場内を2時間ほど観察しましたが、30分ほど経つと次々に人々が帰っていき、4時には20人ほどになってしまいました。
 感想ですが、切花は厚物白系は『富士の新雪』、厚物黄系は『富士の輝き』が占めていました。
 ダルマ、福助は、厚物は『国華金山』、管物は『泉郷富水』しかありませんでした。
 花直しの極意を見たかったのですが、優等花をまじかで見ると、以外にも花直しによる花痛みやシミが多いのが気になってしまいました。また、花の鮮度というものがあまり感じられませんでした。まあ、全国から陸路で長時間かかって搬入されるのですからしかたがないのでしょうが、参考書に載っているような綺麗な花とは少し違ったイメージがしました。

 さて会場を出ると協賛企業の菊資材の即売会がありました。ウチダケミカルのブースもあったのですが、聞いた事のないタクト(株)のブースで販売員に捕まってしまいました。でも説明が面白かったので、乾燥肥料セットを3500円で購入しました。右から元肥、挿し芽用発根液、追肥です。
 名人だけが知っている歴史のある肥料だそうです。パッケージが新しいので本当か尋ねたところ、28年前からあり、以前は樹木医や業者への専門販売だったが、最近一般販売するようになったそうです。
 来年はウチダケミカルとこの肥料の生育比較をしてみようと思います。
 

出品数は3333品だそうです。

赤星さんのダルマ

植える花夢さんの奥さんのスプレー菊

11月11日
 家にはダルマの新玉光院が花直ししていないでおいてある。輪台も付けていないで放置していたので、見た目はものすごく悪い。
 あまりやる気は出なかったのですが、このまま放置するのもかわいそうなので来年のための勉強に花直しをしました。
 3花16弁を検討したのだけど、15弁しかない花もあった。花弁の幅が広すぎてうまく納まらないので、結局14弁に統一しました。
 今回は、全菊連の規定にあわせて、台紙はつけませんでした。
 やっていくうちに面白くなってきました。2日後に綿をとります。

 

11月12日
 菊の会場に行きました。
 まずは気になるダルマ『岸の北極光』の花径を確認しました。21cmです。 意外と小さかったです。
 3本仕立ての国華金越山を赤星さんのアドバイスを受けて、斜めの弁をまっすぐに直しました。
 なるほど、3mm位外側に広がり花径が広がります。見た目も綺麗になりました。
 来年は輪台を18cmにして裾弁を綺麗に見せるようにします。
 当番の会員からは『審査が終わったのにマメだね』とお褒めの言葉をもらいました。
 ついでに切花の『富士の輝き』も花直しをしておきました。

11月13日
 新玉光院の綿を取りました。
 ビックリ。以前とは見違えるほど立派になりました。
 やはり一文字は面白い。綿つめで表情が全然ちがう。
 さっそく玄関に飾りました。通行人は立ち止まって見てくれます。
 

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