大菊栽培(その13)                     もどる   トップページにもどる


11月10日
 各地の菊花展を見に行きました。
 まずは、世界的に有名なお寺の菊花展です。
 
 恒例のように企業協賛の懸崖菊がたくさんありました。
 ここは平日でも観光客が多いので、係員も対応できないほどでした。客の中には、係員のいない所で勝手に柵の中に入り、新花の冬至芽を抜き取っている悪いおじいさんたちもいました。

 
 切花展示のところで、隣にいたおばさん2人が、大掴み菊を見て『パーマみたいにだらしの無いのにどうして賞をもらっているのか?』と悩んでいたので理由を説明してあげました。すると次から次へと質問攻めにあってしまい、丁寧に説明していると周りに10人くらい集まっていました。ちょっとした観光ガイド役になってしまいました。

 次に訪れたのは、上村遥さんが審査委員長である神社です。ここも良い菊がたくさんあります。
 ダルマ、福助がたくさん出品してありますが、注目すべきはコケシ作りの部門があると言うことです。
  ダルマ・福助・切花の出品数が充実しているので、ここに出品できれば面白いだろうと考え、菊花会の係員に出品条件を聞いてみました。
 なんと地区内在住在勤でなくても当菊花会に入れますとのこと。 ただし自己搬入。
 会に入るかどうかはともかくここのチャレンジ講習会に参加してくださいとのこと。
 講習内容を聞くと、年3000円で6回の菊講習会。毎回材料費500円は別途かかる。
 すごいのは講師はなんと上村遥さん!
 なお受講生は受講作品以外の自作出品をすることも可能とのこと。
 迷わず、申し込みをしてしまいました。去年はなんと26人の新人さんが入会し、今年も同じくらい入るらしい。
 
 よし!福助・切花でやる気が沸いてきました。目指すべき新たな目標ができました。
 がんばろう。
 

 続いて日比谷公園と並んで東京都主催の菊花展に行きました。
 なんと入場料500円、菊だけを見たいのですがと受付に聞いても、払わないと入園できませんとのこと。
 せっかく来たし、バラ園も興味があるので、潔く500円を納付して入場しました。
 たくさん出品してありました。さてお目当ての花壇を拝見しに行きました。
 見事! 12花壇を初めて見ましたので、迫力があります。
 面白いことに、ほとんどの花壇が一文字を組み入れているのですね。
 隅々までしっかり確認しましたよ。おめでとうございます。
 
 
 苗の即売コーナーで、例の新花は500円で売られていました。入場料とあわせると1000円なので、日比谷と一緒です。ここは古典菊が豊富に売られていました。
 一文字の苗が6種類ほどありましたが、品種と花色が微妙に違っていたので購入はしませんでした。
 ここの植物園の見所は、西洋ガーデン。温室までもがシンメトリー(左右対称)の構造であった。
 
 自分は菊以外にバラにも(有名な品種が分かる程度)興味があり、ちょうど秋バラの時期なので、500円の価値を十分に楽しみました。
 

11月11日
 日比谷でゲットした国華聖者に白サビ病が発生した。午前中、微妙な斑点を確認したのだけれど、午後には白くポチができていた。 白サビ病が無い栽培場の2次感染だけは避けたい。
 また、別の鉢にはハダニが発生してクモの巣となっていた。 あれだけしっかり防除していたのに生き残っていたとは。 マネージとサンマイトで消毒をした。

11月12日
 菊花展会場の当番をしました。朝9時から夕方5時まで2人で番をしましたが、菊の育て方とか質問をしてくるお客はほとんどいなく、『優等首席と一等一席はどう違うのか?』とか、『トイレはどこか?』、『タバコはどこで吸えるのか?』といった質問がほとんど。
 あまりにも暇だったので、最優等の花を直したり、アブラムシに汚染された花を切り取ったりしていました。
 
 当然ですが自分の出品した国華金越山も花直ししました。 
 まだ芯が残っていますので、満開まではもう少し時間がかかるでしょう。
 賞も取っていなく入賞短冊の飾っていない花なのに、老化した花の中で結構目立っています。
 でも満開の時には撤収か・・・。
 

11月14日
 今年は全滅かと思っていたら、なんと兼六香菊が電照の弊害を乗り越えて、咲いてきているではないか。
 輪径は小さめですが、綺麗に咲いています。
 
 ワールドに向けて秘密兵器。最終段階に入ります。
 私の栽培場はまだ終わっていないです。

11月23日
 この日は所属菊花会の表彰式でした。当然私は入賞していないので、出る必要はないのですが、忘年会だと思い参加しました。でも会費5000円は高い。
 
 以前に役員から、私は鉢数を増やしたくなかったので欲しくなかったのですが『しろじょうねつ』の秋苗をいただきました。 その花の話を聞けば、その役員も東京で有名な女流名人から分けてもらったそうです。
 なんとその名人とは、朝顔の会で先輩後輩の中だそうです。 当然ながら朝顔もうまいそうです。人のつながりというのは面白いものですね。
 『しろじょうねつ』を気合入れて育てよう。
 さて、菊花展から戻ってきた国華金越山がちょうど満開になっていたので、綺麗に花直しをしてみました。
 
 この金越山はノーピンチで、『天』と『地)が柳蕾、『人』が本蕾で、ジベレリン調整をしたものです。
 まさに今が満開となっています。菊花展からの輸送で花が少し傷ついていますが、よく咲いています。
 厚物は柳蕾が巨大輪となると言われていましたが、『人』本蕾の花が一番大きく咲いています。


『人』(左前)が一番大きい

『地』(右前)は綺麗です。
 分岐も綺麗に仕立てることができました。挿し芽の葉がまだ残っています。
 ワールド出品候補です。
 さて、新玉光院も奇形して開花していますが、面白いことに花弁に蕾がついてしまいました。
 電照のせいで、花芽分化を2度起こしているのでしょうか。
 
 このままだとどんな花が咲くのでしょうか。

11月25日
 切花一本仕立の兼六香菊が満開になりました。
 遅すぎたが、うまく咲いてくれた。チョッと谷が出来ているが、気合を入れて花直しをすることにしました。
 
 花首から55cmで切り落とし、8枚の葉付けて逆さにして3時間ほど放置しましたがなかなかしおれない。
 逆さにしたら水分が花に留まりしおれにくくなると思い、途中で元に戻してさらに3時間ほど放置しました。
 夜遅く子供たちを就寝させてから、花直しをしました。
 大きく咲いているが花弁があっちこち向いているので、どこまで綺麗に直すことが出来るだろうか。
 
 以前から悩んでいたのだが、中心点に花弁を向けるといっても、どこを中心にしたら良いのか解らなかったので、中心に爪楊枝で基準点を打ち込みました。
 これで花弁は爪楊枝の方向に向くように直します。
 2本の菜箸を両手で操り、中心から揃えていきました。
 去年の千葉大会で観察した切花はかなり傷がついていたので、強引にでも弁を組みなおしてみようと、強めにやってみました。以外にも強めでも傷はつかないものです。
 でも、調子に乗っていると花弁が破けてしまいまい、4枚ほど破れて抜き取りました。
 全体を直そうといろいろな位置の花弁を直しているのだけれど、気づくと同じ位置の花弁を3〜4回左右に組みなおしていました。
 ひとつの欠点を発見すると、その周り7〜8花弁を直さなくてはいけなくなり、最後は欠点の弁を抜き取ることで何とか落ち着きました。
 また、おかしいと思った花弁を動かそうとすると、花弁の中にもう一枚花弁が重なっていたり、花弁の中に横向きで花弁が隠れていて、それを引っ張りだすとピッタリと落ち着いて見えるようになったり、面白すぎる。

 なんだかんだで1時間ほどかかって完成しました。実際は完成していないのだが、欠点を見つけると終われなくなり、これ以上やると花弁が痛むと思い終了しました。
 弁向きを中心にピタリと合わせる事は出来ませんでしたが、何とか妥協できそうです。(これ以上は私の技術では無理と言うかやり方が解らない!来年は横須賀の深夜に行って技術を見たい!)

花直し前

花直し後
 室内に飾ると、ひときわ大きく目立ちます。
 妻いわく、『みんなに見せるための菊なのだから、なんで室内で切花にしたの?』ですって。
 妻よ。インターネット時代なのだから室内でもたくさんの人がこの菊を見ているのだよ!

 今年の失敗によるへこんだ気持ちを一掃する満足感がありました。さあワールドへ出品するぞ。
 写真1枚勝負ですが、このHPで熱意を伝えておきます。
 

12月3日
 会社の係長昇任試験がこの土日にあったので、菊の片付けがまったく出来なかった。
 試験ですがいちおう勉強はしましたが、本音を言うと昇任なんてしたくないです。でも、団塊の世代が退職すると、係長ポストが空くので必ず受けるようにと、ほとんど強制的に試験を受けさせられます。
 試験を受けないで、このままずーっと平社員で、趣味に専念したいのだけど、そんなに世の中甘くないです。

 寒冷紗も外して鉢台もよけました。この場所は布団干しに使われるので、残留農薬がないように手すりと壁も念入りに雑巾掛けしておきました。
 
 

12月22日
 しばらく菊の日記も更新していないのに、毎日20人ほど覗いてくれています。ありがたいことです。
 さて、子供と図書館に行った時に、図書検索システムなるものがあったので、『大菊』で検索してみると、上村遥さんの最新本が区内に4冊あることがわかった。
 そんでもって、取り寄せてみました。
 本の内容は菊作りQ&Aで120問くらいあり面白いです。
 
 さて、もうそろそろ今年の反省と来年の抱負を書かなければと思うところです。

12月23日
 来年用の冬至芽を記録します。

 来年はこの品種で勝負するぞ。

左から 玉光院 新玉光院 

来年の競技花 国華建国

黄色い 富士の輝き
左 ワールド北極光
右 国華園の北極光

美濃菊 玉光の暁

左 泉郷白情熱 
右 国華聖者  

聖光華宝

国華金越山

12月31日
 今年の反省と来年の抱負

今年の反省
 ・光害!!!
 ・ダルマ挿し芽の軸腐れで全滅!
 ・菊花展に満足な花を出品できなかった。非常に寂しかった。

 今年の敗因は、なんと言っても照明による光害でしょう。シェードして蕾が付いたのを確認してから毎晩煌々と照明をつけて作業をしていたので、開花が遅れてしまった。 管物なんて、蕾すら確認できない状態であった。
 でも、この失敗のおかげで、栽培場の夜間照明の影響がハッキリとわかりました。毎年、管物と一文字の開花が遅いのは、向かいのマンションの照明灯が影響していることが考えられます。たとえば2年前の『泉郷旅心』ダルマ福助は、11月1日には満開だったのに、3本仕立は11月10日まで咲きませんでした。これはダルマ福助の栽培高さは、ベランダの手すりのおかげで、マンションの照明が当たらなかったが、3本仕立ては背が高いので照明をまともに受けてしまった。厚物であれば、さほど影響を受けなかったのですが、光に敏感な品種はこの程度の光でも影響するのですね。

 また、今年のダルマ作品が全くなかったというのもショックでした。極太の挿し芽でも空洞が出来ていると、その部分から腐敗が進みやすくなることも経験しました。
 

 来年の抱負

 ・マンション光害対策を考える。栽培場の更なる改造も行います。
 ・所属菊花会の他に新しい菊花会にも入会するので、新人の気持ちでがんばる。 
 ・持ち運びに有利なようにダルマ福助切花を中心に栽培する。
 ・一文字で観客を感動させる。
 ・挿し芽の発芽率を100%にする。
 ・11月には、美酒に酔えるようにがんばる!

日記は平成19年度につづきます