大菊栽培(その4) もどる トップページにもどる
5月31日 育王の実験をしていた苗の根の状況を確認しました。 左が育王、右が普通です。 育王のほうが根の成長が良いです。 根の長さが1.3倍くらいでしょうか。太さはそんなに変わりませんが、育王のほうが、ちじれっ毛となって分岐が多くなっています。 普通苗の根はストレートな根が出ているのに対し、育王の根は、一本の根から根毛が多く出ており、腐葉土を抱え込んでいました。 まあ確かに違いがありましたが、もっと驚くべき差かと期待していたので、思ったより感動はしませんでした。 まあ、7000円も出して購入したのですから、このぐらいの差ではあまり喜べません。 しかも1リットルもあるし、有効期限までとても使いきれない。 |
![]() 5月31日の苗 ![]() 5月20日の苗 |
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6月7日 新しい菊花会の講習会に参加した後、会長さんと一緒に女性会員さんの栽培場に招かれた。 都心のビルの6階で、12畳くらいの広さで、けっこう風が強い。この会員さんは入会して4年目とのことだが、菊づくりに精力的で頑張っている。 ただ、師匠が沢山おり、栽培名人たちのハウスなどに出かけては、名人の良いとこ取りをして自分の栽培しているみたいです。 |
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培養土を見せてもらった。カヤの腐葉土と草炭がメインの土だった。 こんな粉っぽい土は初めて見ました。他人の培養土はちょっと興味があったので、5号鉢分をもらいました。自分の苗を試しに植えてみます。 倉庫には、カヤの腐葉土の他、鉄力あぐり、菊養源、トップドレシングなど、レアアイテムが段ボール単位で並んでいた。 気合い入っている。 |
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夜にダルマ用の挿し芽を行いました。 失敗しないように、挿し穂をキング1000倍で十分にに水揚げしてから、実行しました。 ダルマ用は展開葉4枚をつけて大きめに挿しておきました。 |
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6月13日 前日、新しい菊花会の会長が相談事があると呼び出されたので、先週栽培場を見せてもらった会員宅に訪問した。 相談事は2つ。 1つは、菊花展で3本組花をやるので、花の生け方を調べてきてほしい。もう1つは、初中級者向けの講習会を企画してほしい。 『どうして2年目の私が?』と問うと、3本組花は都内ではやっていないので、会員たちもやり方が分からない。会長は福井県の知り合いから10cmの塩ビ管を送ってもらったが、肝心な生け方がかわからない。私なら情報通なので調べてくれるだろうと思ったそうです。 講習会の件については、近年都内の菊花会が人数不足で解散しており、この菊花会に集まってきている。そのため、ベテランたちが流れてきており初級者とベテランの2極化となっている。そして、この2極化が都心会員と他県会員、若い会員と年配会員になっているとのことです。 会のレベルアップは良いことだが、このままでは都心会員がいじけてしまいいなくなってしまうので、なんとか盛り上げてほしいとのこと。都心会員でもできる福助で実践講習会をやりたいのだが、実現するためには若き講師が必要とのこと。 以前、『金町の人』さんが会長に私のことを紹介していたことで、信頼を得てしまい私に白羽の矢が当たってしまった。 ここまで来て断ることができなかったので、私が講師としてではなく初中級者が集まって福助栽培で情報交換とレベルアップする交流会を開き、そのまとめ役をやるということで引き受けました。 早速、企画書を考えなくては。 |
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帰ってから、栽培場のカスタマイズを行いました。 下段に資材や用土を置くことができる棚を作りました。狭い栽培場を有効活用できます。 |
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6月14日 3本組花の花器を調べてみた。 直径10.8cm、高さ30cm、上に支柱留め穴が一か所だけ開けてある。 会長曰く、中心は75cmで左右が50cm、中にオアシスを入れて固定するのではないかとのこと。 支柱留めの穴は中心であることは解ったのだが、左右をどのように留めるのかが解らない。針金を使うのでしょうか?。 やはり実際やっている方に聞くことにしました。 |
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6月17日 とっさん0456さんから、菊苗が届いた。 土こぼれなし、見事な梱包でした。 黒ポットを切って反対にしてかぶせるなんてナイスアイデアです。参考にさせていただきます。 |
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早速、植え替えを行いました。 欲しかった品種も入っており、秋の開花が楽しみです。ありがとうございました。 |
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6月21日 新菊花会の会員さんにいただいたカヤの腐葉土入り培養土があったのを思い出し、配合内容を調べてみた。 カヤは、茎がそのままの形で入っており、半分くらいしか腐食していなかった。腐食の進行が緩やかで栽培後半まで団粒構造が崩れないのだろう。この状態で売られているから、良い腐葉土なのであろう。 さて、赤玉土がほとんどなく、代わりに草炭なるものが50%くらいブレンドされていた。 水をはじきそうで排水性が悪そうだが、これが良いのであろう。 人それぞれの培養土があるので、面白い。 さてこのカヤの培養土を単体で使うのは勇気がいるので、自分の培養土に2割ほど混ぜて使ってみます。 |
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ダルマの挿し芽から2週間が経ちましたので鉢上げすることにしますが、今回思うことがありちょっと実験をしてみました。 以前から鉢上げ直後に芽先が変色することがたびたび起こっている。致命的なダメージを受けるほどではないのだが、変色した葉は大きく展開することができず、生育の停滞も引き起こすので、当然不利である。 では、なぜこの変色が起こるのかを考えてみた。 培養土の栄養分が悪さをすると言われているが、この前の切り花の挿し芽のときは、ECの低い培養土を使ったのにかかわらず変色してしまった。肥料での焼けは直接の原因ではないみたいだ。 私の経験からは、4〜5月の寒い時期の挿し芽苗は変色が起こりにくく、6〜7月のダルマ福助苗のときは半数以上がこの症状を起こしていた。温度なのかと考えていたが、そうなると西日本地区の人たちは不利だと考えるが、実際はそんなことはない。 では、直接的に気温が原因ではないとすれば、その時の気温によって菊の状態がどうなるかを考えてみた。寒いときは気温による萎れがなく鉢上げ前の苗はピンとしていることが多いが、暑いときは鉢上げ前の苗はグタッとしていることが多い。 水のほしがり方に影響するのかと考えてみると、寒いときは植え替えた後に灌水してもまあまあピンとしているのでたいして水をほしがらないので影響ないが、暑くてクタッとしているときは、早く水分がほしいので、一気に水を吸い上げるのではないかと考えた。 鉢上げ時には清潔な挿し芽床から培養土に植え替えられるのだが、灌水後の水は培養土の泥分やアクなどを含んでいる。人間に例えれば生まれて初めてタバコを吸ったときに体が拒絶して気分が悪くなるのと同じで、いきなり軟弱な根が泥水を急激に吸ってしまうことで、泥水を濾過できずに芽先まで浸透してしまい耐えきれずに変色したのではないかと考えた。 この理論が正しいとすると、それを防ぐにはどうすればよいかを考えたところ、鉢上げする前に十分に水を吸わせてピンとさせればよい。 すなわち、鉢上げする日の昼ごろにキング1000倍で挿し芽箱がヒタヒタになるくらいに冠水し十分にピンと苗に水を吸わせてから、夕方に鉢上げをして蒸散が少ない夜を過ごさせることにより、初期の泥水の吸い上げを極力抑える。 早速実験開始。さあ、どうなるか。 |
![]() 挿し芽箱でキング1000倍を吸わせて・・・ ![]() 夕方に鉢上げ |
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6月28日 3本組花用の花器、実用的な塩ビ色をしているのをなんとか高級なイメージにしたい。 ホームセンターで見つけたのが、ストーン調スプレーでした。塩化ビニルは一般的に塗装できないのですが、このスプレーは塗装OK。 金額は1280円と効果ですが、ストーン調に仕上がるとのことで試しに購入してみました。 |
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スプレーを2回塗りして仕上げたところ、思った以上に良い出来であった。 安っぽい光沢が無くなりしっとりとした仕上がりになり、さらに石の粒々感が出ており重厚感が増しました。 |
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古い家の壁塗装みたいに仕上がりました。 形が直線的なので陶器のような手作り感はないのですが、塩ビ管だとは気付かないでしょう。 全国大会でも採用したらいかがでしょうか。 |
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7月1日 ダルマ苗をポット上げしてから10日経ちました。 気になる芽先の変色ですが、45鉢中1鉢がほんの少し変色した程度で残りはまったく変化がありませんでした。 そして、全鉢とも新芽が展開していますので生育停滞もありませんでした。 |
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唯一変色していた越山の苗ですが、先端部がちょびっとだけ枯れているだけで、中心の新しい芽は元気に動いています。 芽先の変色原因は、肥料分が直接の原因ではなく、植替え時に、水分補給がされていないため、いきなりに泥水を一気に吸い上げ、ビックリして変色してしまうとの結論に達しました。 変色の対処法は、鉢上げの半日前に挿し芽床にたっぷり水やりして、水分補給を十分させてから植え替える。 誰かこの理論を実験して証明してください。 |
![]() 唯一の変色もこの程度 |
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7月5日 例年通りにテラスの側面に防風ネットを準備することにしましたが、 |
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しかし今年はちょっと違う。 側面に90cmピッチでイレクターパイプを取り付け、支柱の数を増やして、 |
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シルバー線入りの白寒冷紗と洗濯クリップを用意して、 | ![]() |
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側面は、風通しが良く、アブラムシを寄せ付けない仕様になりました。外には4mm防風ネットがあるので台風でも問題ないでしょう。 温室化計画がまた一歩現実になってきている感じです。 次回はテラスの入口をどう処理しようか考えています。 |
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7月10日 福助の挿し芽を行った。 冷蔵苗は朝に水揚げをし、その他の挿し穂は夜に1時間ほど水揚げをして挿した。 完了したのは夜の2時だった。 越山、金越山、玉光院、新玉光院、岸の北極光、晴舞台、秋舞台、泉郷五色、泉郷富水、全部で70苗位になった。 品種によって発根状態が違うので、育苗箱を厚物系、管物系に分けて管理します。 |
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7月17日 切り花用5号鉢を定植しようと思い鉢を抜いてみると、なんと半分以上の7苗が根腐れを起こしていた。 状況は、5号鉢の周りを根が囲んでいるのだが、茶色くなっており腐っている。鉢の半分から下の土は、水に浸したように加湿になっており、根が生えていける状態ではない。苗は20cmまでは順調に育ち、葉が大きく育っているのだが、胴切りをした7月上旬から新芽が大きく展開しないし、葉がライム色に変色していた。 そう、去年も富士の輝きで同じことが起きている。 小鉢のときは、最高の苗だと思っていたら、この時期には根が腐って死にかけている。 原因は何かと考えてみると、どうやら水やりと排水不良であろうとの結論に達した。 水やりについては、水やりを表土の乾き具合で頻繁にやったため、鉢中が加湿になってしまったのだろう。自分では、『乾燥気味で控え目だが、与えるときはタップリ』という感覚を常に持っていた。 水やりのタイミングは表面の乾燥状態を目視で判断していたのだが、表面は乾燥していても実は鉢中にはまだ水分が残っていたのであろう。 鉢中の水分を減らす方法としては、菊苗に吸い上げさせることが一番であるが、それを待っていては表土が乾きすぎてしまい、表面には根が張っていかない。鉢内の水分バランスを保たせるのが理想的なのだと考える。 では、その理想を実現するにはどうすればよいかを考えると、ミズゴケで表面を覆うことだと考えた。 もうひとつの原因は、5号鉢の排水層の不備による加湿だと思う。排水層なんて今まで必要のないものだと考えていた。 根ぐされしている鉢はすべて駄温鉢であり、プラ菊鉢は被害が少ない。 また、大きな失敗をしてしまったが、良い教訓になったと思う。 ちなみに、玉光院は、加湿状態であったにも関わらず根張りがよい。過去の栽培状況でも、一文字がコンスタントに生育している。私の栽培は一文字にはぴったりなのだろうか。 |